オフィスの給湯室を使いやすくするための工夫プラスαでコミュニケーション活性化
給湯室では、お湯を沸かしたり簡単な洗い物をしたりするほか、簡単な調理などを行う場合もあります。
お茶や食事は、オフィスワーカーにとっての大切なリフレッシュタイムです。そんな大切な時間を、給湯室の利便性が悪いために、削らなければならないとなるとそれはワーカーにとってストレスです。
会社側としても、オフィスに給湯室を設けることは、その本来の目的である来客へのお茶淹れ以外に、従業員同士のコミュニケーションを活性化させるマグネットスペースになるという利点もあります。
ここでは、現在利用している給湯室をより使いやすく、「スーパー給湯室」になるようなアイデアをお伝えします。
使いやすい給湯室とは
本来の給湯室の利用目的とは、冒頭に述べたとおり、お湯を沸かしたりお茶を淹れたり、簡単な洗い物をしたりするほか、インスタント食品などの調理を行うスペースです。
給湯室に冷蔵庫や電子レンジなどを置いて、簡単な調理や食品の保管ができるようにしておくこともあるでしょう。給湯室と休憩スペースが近い場合は、電子レンジでお弁当を温めたり、冷蔵庫にサラダを入れておくなどといった使い方ができるため、便利です。
給湯室利用の社内ルール
給湯室は、社内で共同で利用するスペースです。だからこそ、皆が快適に使えるように清掃を心がけなければいけません。だからこそ「誰かが片づけるだろう」、「ひとりくらい荷物を置きっ放しにしてもいいだろう」と思わずに、ひとりひとりが清潔で安全に使えるよう、あらかじめルールを定めておくことが清潔さを保つ秘訣です。
下表は、『株式会社日本リサーチセンター』が行なった「家の掃除についての調査」によるレポート結果を抜粋したものになります。こと水回りに関しては、男性と女性で「清潔さ」「清掃」に対する意識に大きな開きがあるので、そのあたりの意識統一を測ることも、快適に給湯室を利用していくためには不可欠です。
問1 あなたは、家の掃除を、どのくらいの頻度で行っていますか。以下にあげる場所やモノについて、あなたご自身がそうじする頻度を、それぞれお知らせください。 (各単数回答 n=1,200 男性=592 女性=608)
% | 浴槽・ お風呂場 |
居間・ダイニング・リビングダイニング | トイレ | キッチン ・台所 |
洋室の部屋 | 洗面所 | 玄関・ 玄関まわり |
廊下・階段 | 和室の部屋 | 庭・バルコニー・ベランダ |
全体 | 69.1 | 63.9 | 63.3 | 62.8 | 61.6 | 61.3 | 60.1 | 57.8 | 54.2 | 44.3 |
男性 | 50.2 | 41.4 | 39.0 | 39.0 | 39.0 | 37.2 | 36.7 | 34.1 | 34.8 | 29.1 |
女性 | 87.5 | 85.9 | 87.0 | 86.0 | 83.6 | 84.9 | 82.9 | 80.8 | 73.0 | 59.0 |
男女差 | 37.3 | 44.5 | 48.0 | 47.0 | 44.5 | 47.7 | 46.2 | 46.6 | 38.2 | 30.0 |
さらに、追加でタオル掛けや水切りカゴなどを設置することもあるでしょう。コンロを利用する場合は、布巾や雑巾などに火が燃え移って火事になることがないよう、配置に十分な注意を払うようにしてください。
給湯室を超えた「スーパー給湯室」の正体
先にその答えを明かしますと、ここで指す給湯室とは、『マグネットスペース』として使える給湯室のことです。
マグネットスペースとは、オフィスにおいて部署や役職など関係なく、人が集まってくる空間のことで、その代表的な場所が会社の中だとコピー機の周辺であったり、ここで扱う給湯室です。
マグネットスペースには職種や地位など関係なく、同じ会社の人間が集まります。そこで生まれるさまざまな垣根を超えたコミュニケーションは、型にはまったアイデアの殻を破り、新しい発想を得られることに期待ができるのです。
それは雑談の延長上にあるものとも言えるでしょう。だからこそ、凝り固まった考えでは出てこないような忌憚のない意見が飛び出したりするものです。
ただし、コピー機や給湯室やそれに類するスペースは多くのオフィスに存在しますが、それだけでその空間がマグネットスペースになるか、と言えばそうでもないのです。
要するに、そこに立ち止まって会話を弾ませさせる仕掛けが必要になります。例えば、物を置いて話せるようにするための立ちテーブルのようなものであったり、「ちょっとお茶する時間」に変えるための自動販売機などです。
賃貸オフィスの場合、給湯室の位置は決まっている

事例・実績:株式会社ポッケ 様
一から設計してオフィスビルを建設する場合は別ですが、オフィス用の物件を借りる場合、給湯室の場所は基本的に最初から決まっています。
多くの場合、トイレなどの近くに配置されていて、後からその場所を変更することはできません。お茶を淹(い)れるときに給湯室を利用する場合は、応接室や会議室を給湯室から極端に離れた場所に作ってしまわないようにしましょう。
このように、給湯室には、「移動できない」ということが大きな特徴になります。オフィスレイアウトを考えるときは、まず、給湯室やトイレなどの移動できないスペースから埋めていくというのもひとつの方法と言えます。
1つのフロアに複数の会社が入っているような場合は、給湯室が各社共用となるために、オフィスの位置次第では使いにくいということも考えられます。そういう場合は、給茶機などをうまく活用できる空間をオフィス内に設けることも1つの手立てです。
まとめ
給湯室の場所は後から変更することができないため、不便がないようにほかのエリアのレイアウトを考える必要があります。冷蔵庫や電子レンジ、ドリンクサーバーなどを導入することで、給湯室のもつ役割をほかの場所にもたせることもできますので、状況に応じて検討してみましょう。
せっかく給湯室をつくるのであれば、やはりマグネットスペースとして利用できる方が、費用対効果も高くなるというものです。会社の業務を一歩先へ進めるための先行投資として考えてみてはいかがでしょうか?
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