ユニオンテック本社・設計者インタビュー 「クリエイティブな空間を兼ね備えたオープンプランオフィスが実現した !」

 

INTERVIEW

ユニオンテック株式会社
執行役員 坂井 亮

 

これは大きなチャンス

ユニオンテックの新オフィスの計画は2016年5月にスタートしました。稲城(東京)から新宿のオペラシティへの移転は、ユニオンテックにとってはブランディングの一環です。弊社代表の大川が「日本一のオフィスにしたい。絶対に妥協はしない」という強い意気込みで臨んだプロジェクトには各部署から、メンバーが集結しました。私はデザイナーとして、思い切った挑戦ができる。やりたいことがやれる。そう感じていました。

しかし、クライアントが自社ですから、ハードルは極めて高いといわざるを得ません。ユニオンテックは設計施工のプロ集団です。職人出身で、空間づくりの知識や技術、経験を豊富に持つ大川を筆頭に、全員ものづくりへのこだわりが強い。たくさんの案件をこなしてきたプロ中のプロの集まりです。そうした会社がクライアントなのですから、生半可なプランでは許されません。でも、それは私の励みややりがいにもつながりました。

 

 

最優先事項は完全なオープンスペースであること

代表の大川の一番の要望は「社内を完全なオープンスペースにし、風通しを良くしたい」ということでした。以前の稲城の本社は、スペースの問題もあり、所狭しとデスクが配置されている状態でした。また、複数フロアに各部署がまたがっていた為、空間的に分断されていました。新オフィスはみんなが見渡せる空間にしたい。それが大川の強い希望だったのです。

ただ、オフィスではさまざまな職種の社員が同時に働いています。それぞれの働き方や働くスタイル、志向は一様ではありません。今回オフィス移転するにあたり「どんな職場環境が理想か」を社員にアンケートを取り、事前リサーチしました。その中にはワンフロアで完全なオープンスペースになったら、仕事に集中できなくなるのではないと不安を抱く社員がいました。空間づくりについて考えをめぐらせるときは、静寂で、できれば照明も暗く、自分の意識に集中できる遮断したスペースがほしい。そう懇願する社員もいました。

上司や先輩に指導され、叱責されている場面が他の社員の目にさらされてしまうのも考えものです。そこで当初、私は部署ごとにガラスを仕切った空間をデザインに入れてましたが、思いとどまりました。300坪のワンフロアのオフィスを、誰もが気軽に声を掛け合いたくなるような空間にしたい。壁など一切なく、皆の顔が一堂に揃うオフィスにしたい。それが最優先事項だったからです。

 

 

自由な発想を導き出せる場所「クリエイティブラボ」の役割

ワンフロアだからこそ、集中とリラックスを保てられるように、隠れられるスペース「クリエイティブラボ」を生み出しました。クリエイティブなモノを生み出す場所は机ばかりではありません。
柔軟な発想を生み出すには、少し隔絶されたような空間が必要だと考えました。

外からどう見られるのかは勿論意識しますが、毎日使用する社員が居心地がいいか、誇りを持って仕事ができる環境を提供できているかどうか、そこも重点におきました。 事前のアンケートでリラックスしたり、集中するための空間は欲しいと要望があったので「クリエティブラボ」は必須でつくりました。

外観は企業ロゴにも使われているひし形をデザインモチーフにガラスと格子により綿密に組み込みました。内部にはデザイン書やビジネス書が並ぶブックウォール、コーヒーマシンやソファなどを置き、防音設備を備えた集中ルームも設置しました。

 

 

セオリー違反の長い導線!?

当初エントランスを入ってすぐの場所に会議室やプレゼンルームを設けていたのですが、ショールームとしての役割としても考え、「見せる」オフィスのレイアウトに変更しました。その結果、プレゼンルームまでの動線は非常に長くなりましたが、社員の働きぶりを横目に見ながら足を運ぶプレゼンルームへの道のりは、お客様にちょっとした期待感をもたらします。

オフィスで働いている様子がすべて見られてしまうため、良い意味で社員にも緊張感を与えます。お客様に「いらっしゃいませ」の声をかけるのを恥ずかしがる社員もいましたが、いまは皆かなり慣れてきたようです(笑)。

この長い長い導線については、同業のデザイナーは不思議に思うようです。セオリー違反と指摘されることもあります。しかし、私たちの意図を伝えると、みなさん、よく理解してくれます。オープンで風通しが良く、それでいてクリエイティブな発想を育む場所を兼ね備えたオフィスを実現するためのレイアウトであることを分かってくれるのです。

今回の仕事で一番ハードルが高かったのは、実は「オフィスはこうあるべき」「レイアウトはこうするべき」という固定概念を取り払うことだったのかもしれません。その意味で私にとっては得難い経験になりました。

 

 

「職人企業」としてのスタンスを打ち出す

今回、本社オフィスをデザインする上で、意識したキーワードは「職人」と「先進性」です。

ユニオンテックは人員が増え、業務内容も広がっていますが、核をなしているのは「職人企業」です。この本質はいまも昔も変わっていません。「職人企業」というスタンスを訴求するため、エントランスではドラマティックホワイトという石を削り出した上で後ろからLEDで光を透過させてロゴを表現したり、クラフトマンシップを象徴するオブジェを置くなど、随所に職人技が見て取れるように施してます。10年、20年たっても最先端のオフィスであり続けられるように、経年劣化しないオフィスに仕上がったと自負しています。

1000枚以上ものイメージコラージュを通して、大川と数え切れないほどデザインのすり合わせを行ったこと、当初の計画よりも70%も上回ってしまった予算を削ろうと必死で素材やデザインを見直したこと。いま思い返しても完成まではハードな作業が続きましたが、この仕事を通してやりたいことがまた見えてきましたから、次の案件に是非生かしたいと思います。

 

ユニオンテック初台本社オフィス

エントランス(ユニオンテック株式会社) エントランス(ユニオンテック株式会社)
エントランス ユニオンテック株式会社 エントランス ユニオンテック株式会社
エントランス ユニオンテック株式会社 エントランス ユニオンテック株式会社
エントランス ユニオンテック株式会社 エントランス ユニオンテック株式会社
会議室 ユニオンテック株式会社 会議室 ユニオンテック株式会社
会議室(ユニオンテック株式会社) 会議室(ユニオンテック株式会社)
会議室(ユニオンテック株式会社) 会議室(ユニオンテック株式会社)
会議室(ユニオンテック株式会社) 会議室(ユニオンテック株式会社)
執務室 ユニオンテック株式会社 執務室 ユニオンテック株式会社

 

  1. 引き込まれるプロモーションムービー
  2. さまざまな方向にチャレンジする志を示す光のライン
  3. クラフトマンシップの『結束』『連携』オブジェ
  4. 『熱意』『不屈』『感謝』『真摯』『挑戦』の五心柱。ダークミラーで五心柱を連続してみせるところに永遠の精神を表している
  5. 職人の技が光るルーブル貼りのフローリング
  6. ウエイティングスペース。中腰で気兼ねなく座れるベンチでサスティナサービスを閲覧できる
  7. 建設業29業種を可視化したオブジェ
  8. 期待感を持たせる長いステージ廊下
  9. 会議室はガラスサッシにすることによって執務エリアにも自然光をとりいれられ、且つ防音的要素も兼ねている
  10. ユニオンテックのデザイナーがコーディネートしたディスプレイ
  11. お客様にすぐドリンクを出せる冷蔵庫
  12. 立体的な音を流せる音響設備
  13. 80インチの迫力あるプレゼンモニター
  14. ソファ型のプレゼンスタイル
  15. センターに「ちょっといい」オープンディスカッションテーブル
  16. ハイカウンターはオープンながらも経理のセキュリティーに配慮
  17. デザイン洋書、経営哲学書等のブックウォール
  18. ハイチェアにした短期型集中ブース

 

ユニオンテック本社の完成までの数ヶ月を4台の360°カメラで撮影

会社のお披露目と併せて、普段は見る機会が中々ない内装の仕事を知ってもらいたいという目的で制作しました。


スマホやタブレットは指先で、PCの場合はマウスで左右上下に動かして動画を見ることができます。視聴の際はGoogle Chromeのブラウザで是非ご覧下さい

360Video撮影・編集: 渡邊課(Concent, Inc.)
Music: 長尾洋輔