スタッフが足りない飲食店は、客の回転率が下がってしまったり、なかなか料理が提供されずに評判を落とてしまう恐れがあります。しかし、スタッフを雇いすぎると今度は人経費がかさみ、経営の圧迫に繋がります。このようなことにならないためには、適正なスタッフ人数を理解しておきましょう。
人数の求め方には一応の計算式がある
レストランの場合、収容人数によって必要なホールスタッフ数を求めることができます。収容人数÷4(=テーブルの数)÷4というのがその計算方法です。つまり、40人収容できる店であるなら、ピーク時のホールスタッフは2~3人必要ということになります。
このほかに、調理スタッフが2~3人、洗い場に1人スタッフを置くとすると、合計は6人となります。
しかし、これはあくまでもランチやディナータイムに必要な最大のスタッフ数です。アイドルタイムはホールを1~2人で回すこともできるでしょうし、調理と洗い場も合わせて2人程度で問題がない場合もあります。
スタッフ数は、計算式を参考にしつつ、混雑具合によって調整していくようにしましょう。
実際に必要な人数は店舗によって異なる
同じカウンターだけのラーメン店であっても、常に5~6人が忙しく立ち働いている店もあれば、夫婦2人だけで経営している店もあります。喫茶店も同様で、マスターが1人でやっているところもあれば、多くのスタッフが丁寧なサービスを行っている店もあります。
これは、一概に「どちらの店が優れている」と言えることではありません。店舗の雰囲気や、ターゲット層から求められるサービス内容、提供しているメニュー内容、スタッフの熟練度などによって、必要なスタッフ数が大きく変わるためです。
スタッフ数の参考にするために、同じ規模の店を偵察に行く方もいるかもしれませんが、他店がどのくらいのスタッフで回しているのかを参考にする場合は、単純に客席数だけで比較するのではなく、サービス内容や客層などまで含めて考えるようにしましょう。
カウンター形式でないなら、調理とホールは別の人が行うべき
いくら店によって必要な人数が違うとはいえ、カウンター型のお店以外では、少なくとも調理とホールは別の人が行うべきでしょう。 料理を運ぶところまでは兼任するケースもありますが、客が新しく来店したり、会計をしたりする度にキッチンから出て案内をするのでは時間がかかってしまいますし、目も行き届かなくなります。
一方、カウンターだけの飲食店の場合は、ホールとキッチン両方を同じスタッフが行う店も少なくありません。この場合は、食品とお金を同時に扱うことになるので、調理時は必ず手袋を嵌めるなど、衛生面に気をつける必要があるでしょう。
会計は時間や手間のかかる作業ですから、スタッフが少ない場合はキャッシュオン形式にしたり、券売機を利用してみるのもよいでしょう。
経費についても考えよう
スタッフが多ければお店を回すのは楽になりますが、それだけ人件費もかかるようになります。客単価と回転率、席数から算出される目安利益とコストを比較して、無理のない資金計画を立てましょう。
また、雇うだけ雇っておいて、経費がないからシフトを入れないというのではスタッフとのトラブルの元になります。安易な採用は避けて、必要な人員を見極めて雇用しましょう。
まとめ
スタッフを何人雇うかは、初めて飲食店を経営する方にとって予想の立てにくい部分でしょう。必要な人数は店舗によって異なるため、よく検討する必要がありますが、楽になるからとスタッフを多く雇ってしまうと、人件費がかさみます。雇用は慎重に行いましょう。必要スタッフ数を把握するために、最初の数日はプレオープンとして、業務内容を簡略化した状態で営業してみるのもおすすめです。