美容・エステ業界は供給過多になっている?

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美容室やエステサロンを開業する際には、業界や市場の特徴を知っておくことが大切です。美容室と理容室でみても、店舗数などに違いがあり、サービスや戦略などにも影響しているのです。

 

美容・エステ業界の状況

理容室、美容室は個人経営が多いのが特徴です。これは、理美容師の資格を持っていれば開業が比較的容易にでき、参入障壁が低いためです。特に美容師は増加傾向が続いていますが、少子高齢化や経済停滞の影響により理美容室への需要は低下しているため、近年、国内市場では理美容室は供給過剰になっている状況です。そのため、大手企業では、店舗での売上を伸ばすために化粧品や美容関連グッズを販売するなどしています。

エステ業界も美容室と同じく、個人経営や中小企業が多いと言われています。基本的に施術収入が中心ですが、近年は個人消費の低迷により収益性も低下し、物販収入に力を入れているところも増えています。また、業界の状況として、以前は契約トラブルが多かったものの、業界内での基準の設置やルール策定によって改善が図られ、国民生活センターへの相談数も減少しています。

 

理美容市場は縮小傾向

厚生労働省の衛生行政報告例では、2014年度末で理容所は全国に約12万6,500店舗、美容所は約23万7,500店舗となっています。
また、2000~2014年の年平均成長率をみると理容所と理容師数は減少しているのですが、美容所と美容師数は増加傾向にあります。国内の理美容市場は先述したように縮小しているため、競争が激化し、サービス単価の下落につながっています。

そのため、事業者は、付加価値向上のため、ヘッドスパやエステ、ネイルなどのサービスを強化しています。美容師は利用者の頭皮状態や髪質に合わせて商品を提案できることから、シャンプーやヘアケア商品の物販も推進されています。シャンプーなどは利益率も高いため、業務用化粧品メーカーも商品開発に力を入れています。

 

エステ業界は需要が分散している

エステ業界には正確な調査や統計データが少ないものの、市場規模の参考になるデータとして、美容室やエステなどを含む美容サービスの売上高は、2011年時点で約2兆7,000億円で、日本エステティック研究財団が行った調査では、2001年の時点で、エステティックサロンのうち法人経営が32.9%、個人経営が67.1%だった、といった調査があります。個人経営店の約90%は単独店で、個人事業主が多いことがわかるでしょう。エステサービスには化粧品店や理美容所、スポーツジムなどが含まれていますが、半数以上がエステ専門店です。

エステ業界は市場が低迷していると言われています。これは、施術料金の低下やクーポンの配布、自宅でケアできる美容家電グッズの増加などが原因です。消費者の低価格ニーズに合わせたことで収益性の低下につながったと言えるでしょう。また、近年では低価格サロンチェーンや美容専門クリニック、医療機関などに需要が分散しています。

 

大手企業の動向

美容室の大手企業としては、田谷やアースホールディングス、アルテサロンホールディングスなどが有名です。これらの企業はチェーン展開をしており、国内市場の低迷を受けて海外進出しているところもあります。

「モッズ・ヘア」のブランドで有名なエム・エイチ・グループでは、アパレル事業や移動体通信サービス事業を売却や譲渡したため一時的に売上高が減少したものの、美容室に経営資源を集中させることで黒字回復を果たしています。ブランドを生かしてブライダル分野に参入するなど、業界内でのブランド力を強めていると言えるでしょう。

また、先述したように景気低迷によりほとんどの会社が業績を悪化させていたのですが、キュービーネットは売上高、経常利益率を伸ばしています。これは低価格モデルが市場のニーズと合ったためと言えるでしょう。